REPORT 現場リポート

New Yorkへは今は来ないでーーー!!!? ニューヨークカメラマン日記 Season2 Vol.8

2020.12.24
制作技術・報道技術

■ 新しい時代の幕開け 歴史的瞬間を目撃したか!?
11月16日午前(日本時間)、野口聡一宇宙飛行士が搭乗する、民間企業第1号の有人宇宙船「クルードラゴン」が、フロリダ州ケネディ宇宙センターから打ち上げられました。この歴史的瞬間を現場で肌で感じてきました。
NASAによる民間の有人宇宙船の本格運用1号機となった今回の打ち上げ。これまでの打ち上げコストより大幅減になり、今後飛行機のような感覚で宇宙の行き来が可能になるかもしれない、そんな新しい時代の幕開けの第一歩ともいえる今回の打ち上げでした。

野口宇宙飛行士とは、去年9月ヒューストンで行われた、新型宇宙船対応訓練の密着取材の際にお会いし、それ以降オンラインインタビューなどで取材を重ねました。
打ち上げ当日は、家族との最後の挨拶を行う「クルーウォークアウト」と呼ばれる場所での撮影で、少ない時間の中、私たち取材班に気付くと、大きく手を振り「行ってきます!」と大きな声で元気よく応えてくれました。
残り少ない家族との最後の会話の様子は、私のカメラポジションからでは車の窓から出した野口飛行士の右手しか見えませんでしたが、その右手を家族が握りしめる様子は、今でも忘れられない多くの思いが込められた1シーンとなりました。奥さんと握りしめる手、そして不安な思いと勇気付けのように右腕を擦る娘さんの手。
顔が映っていなくても人を思う気持ちが溢れた1シーンとなりました。

■ リモートカメラセットアップ
打ち上げ前日、特別な許可を得て、シャトルの近くでの撮影準備を行います。
打ち上げはカメラセットアップの20時間以上後で、電源も無ければ、シャッターを切る人もいません。途中雨に降られることもあれば、気温差により湿気でレンズが曇ったり、カメラが発射の爆風で飛ばされる可能性もあります。
下の写真は発射台の前にズラリと並んだ各社のカメラ。各々それらの対策を念入りに行い、苦悩に苦悩を重ねて様々な工夫とアイデアが詰まった機材で打ち上げに挑みます。
私も今回その打ち上げの様子を「ユニカメラで!」との思いで挑戦してきました。
無人での長時間収録が可能なカメラを3台用意し、バッテリーも、持ち込みが可能な最大の容量のものを用意。事前の収録テストで、24時間の収録ができることも確認し、いざ打ち上げ当日。

しかしここで問題が発生!
リモートカメラセットアップから、実際の打ち上げまでの時間がスケジュールの変更により31時間空いてしまうことが判明。
ロケット打ち上げでは、「打ち上げ延期」や「時間の変更」などが多々あるため仕方ありません。
SDカードの収録可能時間は上限32時間。収録可能時間内ではあるものの、実際にチェックしたことの無い24時間超えの収録。きちんと収録されるか不安が残ります。
またバッテリーの問題もあります。3台のカメラのうち、1台は確実にバッテリーがもたず、他の2台も24時間以上のテストはしておらず、消費電力から計算して、打ち上げまで確実にバッテリーが持つのは1台。しかしその1台も長時間収録には何度か収録トラブルの起きている民生機。
半ば願いを込めた挑戦になってしまいましたが、それでもその場で出来る最大の対策をとり、電源ケーブルの作成や、三脚への杭打ち、雨・風・湿気対策も行い、あとは祈りを込めて打ち上げの瞬間を待ちます。
カメラの回収は翌日の早朝。打ち上げの成功に喜びながらも、自分のリモートカメラがどうなっているか気が気ではありません。

 

結果はというと、3台中2台はバッテリー切れ。残りの1台も電源は生きていたものの、収録可能時間の上限により、ファイルの破損が発生し、どのカメラも打ち上げの瞬間をカメラに収めることはできませんでした。
それでも今回も学ぶことが多くあり、次回へ挑戦する気持ちが高まりました。
更なる改良を行い、次回は全てのカメラで収録できるよう準備を進めていきます。素晴らしい映像が撮れるよう努力しますので楽しみにお待ちください!!


◀ニューヨークカメラマン日記 Season2 Vol.7

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