REPORT 現場リポート

Freshman's Report 2023 Vol.2「制作技術センター 制作技術部」

2023.11.07
制作技術・報道技術

 

■ はじめまして!
2023年Freshman’s Report第2回は「とっしー」こと藤森俊哉が担当いたします。 
私は現在、制作技術部のビデオエンジニア(以下VE)として勤務しています。
大学時代は、テレビの技術の現場で働きたいと思い、映像系の科目を勉強し、NiTRoに入社しました。
 

■ 皆さんはVEという仕事を知っていますか?
先日、テレビの制作会社に就職した友人に、VEをしていると伝えたところ「何その仕事?聞いたことがない」と言われました。
このように、テレビ業界で仕事をしている人にも、あまり知られていないVEという仕事ですから、世間での知名度はかなり低いものだと思います。
しかし、知名度が低くても、テレビ番組を制作するにあたって、なくてはならないのがVEの仕事です。
ある上司が、「VEの仕事はピアノが綺麗に弾けるようにするための調律師に似ている」と教えてくださいました。このレポートを読んで、テレビ制作の「縁の下の力持ち」 VEの仕事がどんなものなのか、少しでも知っていただけたら嬉しいです。


■ 入社してから現在まで
NiTRoに入社し、2か月間に渡る全社での研修を終え、6月にVE配属となりました。
そこから3か月間はカメラアシスタントとして、中継やロケの現場に出て勉強をすることになり、機材の事前準備や、最前線で動くカメラのケーブルを捌いたりしました。なにしろ初めての業務でしたので、スタート当初は、準備する機材を間違えたり、ケーブルをうまく捌くことができなかったりして迷惑をかけてしまうこともありましたが、そうした時には、先輩が丁寧に教えてくださり、3ヶ月という短い期間ではありましたが、多くのことを学ことができました。
VEの業務は中継車やサブコンなど、現場の最前線からは少し離れたところで仕事をすることが多いので、カメラアシスタントとして、最前線を知ることができたことは、私にとって大きな財産になったと感じています。
そして、9月からは本格的にVEの仕事に入っていきました。

 

■ カメラ調整だけじゃない! VEのお仕事
VEの主な仕事は放送用のシステムの構築、映像機材の調整です。中継や収録の本番では複数のカメラを切り替えた時に違和感なく見えるようにするために、色や明るさの調整を行なっています。
私も同様のイメージを持っていたましので、実際のVEの業務を始めるとことになれば、カメラ調整などを行うことになると思っていたのですが、最初に関わることになったのはロードレース中継の電波の送受信をする業務でした。ここで、電波の送受信とはどういうことなのか、簡単にご説明します。
箱根駅伝などのロードレースでは移動中継車が選手と並走して撮影をします。
映像は汐留の日本テレビ本社に送るのですが、移動中継車から直接送ることはできません。
そのため、一度中継車の近くで電波を受信して、それを別の電波や光回線に変えて本社に送ります。
この、送受信業務で私が担当したのは、移動中継車の電波を受信するためのアンテナの操作です。
これまでに、24時間マラソン、箱根駅伝予選会、全日本大学女子駅伝の電波受信を経験しましたが、中でも一番印象に残っているのが、先日行われた箱根駅伝予選会です。
この時は高さが20mある15段イントレ(仮設の足場)の最上段で電波を受信していました。  

 


15段イントレ ヘルメットとフルハーネスを装備し、安全には十分に気をつけて作業しています

 

受信機は高い建物の屋上に設置することが多く、これまでもビルの屋上や電波塔など、様々な高いところに登ってきましたが、一番怖かったのが、このイントレです。ビルに比べたら高さは低いものですが、怖いのは揺れです。仮設の足場なので、最上段はどうしても揺れてしまいます。ただ、登ってみると、慣れてしまって、最後はまったく気にならなくなりました。 景色を見る余裕もできて、朝焼けがとても綺麗なのが印象的でした!

 

 


イントレ最上段からの景色

 

電波を受信すると聞くと、地味な仕事のように感じられるかもしれません。しかし、自分が電波を受信できなければ、カメラマンが良い映像を撮っていてもそれをテレビで放送することはできないので、責任の重い仕事です。トラブルなく受信できたときには、とてもやりがいを感じることができます。
それまで全く勉強したことがなかった電波に関わる仕事ができるのか不安でしたが、先輩方が丁寧に教えてくださり、徐々に知識をつけていくことができました。


■ 最後に
実際にVEの仕事に携わってみると、本当にさまざまな業務があることに驚きました。
私はまだまだやったことがないことばかりなので、一つ一つをしっかりと覚えていきたいと思います。
VEの仕事は言葉で表現するととても地味に感じられてしまうことも多いと思いますが、実際にやってみると、奥が深く、やりがいのある仕事だと感じています。
ぜひ、VEという仕事に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

 

 

 


筆者 


 

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