REPORT 現場リポート

Freshman's Report 2021 Vol.4 「制作技術部 VE」

2022.01.17
制作技術・報道技術

皆さん、こんにちは!
新人レポート第4弾は制作技術部VE(ビデオエンジニア)の寺見遥希が担当します。

私は中学生の時に初めて映像制作をしたことをきっかけに、テレビ業界に興味を持ちました。
私はテレビ技術全般に興味があるため、さまざまな職種があるNiTRoに入社しました。

「VE」という言葉を初めて聞いた人も、知っているという人も、NiTRo1年目のVEがどんなことをしているのかを少しでも知っていただけたらと思います。

■“ドキドキ”年越しの話
いきなりですが、2021年から2022年に変わった瞬間、皆さんは何をしていましたか?
私はモニターと睨めっこをしていました・・・。

というのも、“とある番組”で小型カメラの色・明るさの調整をし、映像をスタジオにあるサブコン(映像や音声などを調整する、俗にいう副調整室)に送り、監視をするという業務をしていました。
その番組とは、昨年、年をまたいで放送された6時間の生放送番組「笑って年越したい!!笑う大晦日」です。
様々な企画がある中で私が関わったのは、最後の企画の「ぬるぬる福男レース」。
どこで小型カメラを使っていたのかといいますと、福男を目指して駆け上がる非常階段とスタジオ入り口手前の廊下の合計4台です。

 

ベースとPOVCAM(小型カメラ)

 

■私の2021年 大晦日の1日を振り返ります!
まずは朝8時に出社をして小型カメラのPOVCAM(AG-HCK10G/AG-HMR10)を調整します。
4台のカメラには若干の”個体差”があり、設定も色もバラバラなので、まずは事前確認を行います。
朝9時にカメラマン、カメラアシスタントと合流し、機材を持って現場に向かいます。
その後、11時には制作の方と画角を決める作業があるので、それに間に合うように現場にカメラをセットします。
そして、14時からのリハーサルに向け、サブコンに光伝送装置で映像を送り、モニターをセットして監視体制を整えます。光伝送装置とは1本の光ケーブルを使用した、多くの情報を速く・遠くまで伝送できる装置です。
その後のリハーサルでサブコンのVEの方に光伝送装置で送られた画像の「色」や「明るさ」が適正かチェックをしてもらい、一発OKをもらいました。朝早くから来て調整した甲斐がありました!

しかし、ここで“ドキッ”とすることを伝えられました。
「前の企画が押すと(長くなる)、階段を駆け上がるところはカットになるかもー」
このようなことは“生放送あるある”だとは思いますが、3~4分の企画でPOVCAM 4台の映像は1分にも満たない出番の中、“全カット”だけは避けたいです…。
前の企画が押さないかドキドキし、モニターと睨めっこをしながら待機していました。

そして深夜、年も超えた24:22。
サブコンで待機中のカメラマンから「予定通り、階段を使う」と連絡があり、ホッとしました。
放送は無事終了。

今回小型カメラを設置した場所は、廊下や非常階段など、人が通る場所なので急いで機材を撤収します。
最後に機材庫に機材を戻して、長い1日の終了です。

制作技術部は番組制作の予定によってシフトが決まるので、早く帰れる日もあれば1日が長い日もあります。
今回のように長い業務の日でも、終わった後の達成感はその分、大きいです。

■配信オペレーターは“なんでも屋”
NiTRoでは近年、配信業務にも力を入れています。
私はオンライン就職活動イベントの配信でオペレーターとして参加しました。
テレビ番組の制作では、スタジオのサブコンや中継車でミキサーは音声担当、スイッチャーは映像担当と、それぞれ担当が分かれています。
しかしインターネット配信は会議室などの小さな部屋で行われ、オペレーターが配信の開始/終了などのPC操作や監視をしながら、ミキサーを使い、出演者の音声を調整するなど、複数の役割を担当します。

先日、私が参加した配信では、最初はカメラ1台と予備1台と聞いていましたが、急にカメラ2台を切り替えて配信することになり、映像を切り替えるスイッチャーの操作も同時に行うことになりました。
幸い切り替えるタイミングは少なく、その場所も決まっていたので、本番で変なタイミングで切り替えないように頭の中で入念にシミュレーションし、無事に配信を乗り越えました。
配信がスタートしてすぐはPCで配信を開始して、ミキサーで出演者2人の音のバランスを取ってと、忙しいですが、少人数で完結するので全ての技術を見ることができ、とても面白い業務です。

 

配信業務の様子

 

■最後に…
私がVEに配属されてすぐは「VE=色や明るさを調整する人」というイメージが大きかったのですが、研修で様々な現場に訪れ、VEのイメージが変わりました。
例えば、中継先の映像を汐留本社まで送るマイクロ伝送、コロナ禍のインタビューで見ない日はないリモート取材の収録業務など。
この他にもVEだけの業務ではありませんが、ロケ隊に付いていき、空撮を行う“ドローン業務”もあります。
VEの業務は幅が広く、内容が深いので、一つ一つ業務を覚え、ステップアップしていきたいです。

 

スタジオでVTR収録の研修

 


プライベートでドローン練習中の筆者


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