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New Yorkへは今は来ないでーーー!!!? ニューヨークカメラマン日記 Season2 Vol.5

2020.04.27 制作技術

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世界各地で新型コロナウイルスが蔓延し、日本も緊急事態宣言が出されるなど、「非日常」が続いています。先の見えない中、皆さんはSTAY HOMEしてますか?
私は外出制限のかかっているニューヨークでSTAY HOMEしています。
お店も閉まり、規制もかかり、やりたいことも出来なくて、ストレスを溜めている人も少なくないと思います。しかしそれは日本だけでなく世界中の人が感じています。この重大局面を一緒に経験している仲間でもあります。
来年に延期になった東京オリンピック。観戦に訪れた外国人に、コロナの話を過去の出来事のように話す日がくるかもしれません。

皆で一緒に乗り越えましょう!!
さてこれからは、私がこのニューヨークでどんな仕事や生活をしているかをお伝えします。

■ Super Tuesday
まずは2020年アメリカ国内の最大イベント大統領選挙。『選挙』と聞いて興味が[ある][ない]かの二択で問われれば、残念なことに後者の方の筆者です。さてそんな選挙に疎い自分が、アメリカの大統領選挙をどう見たか、取材の苦悩なども一緒にお伝えします。

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大統領選挙の予備選挙・党員集会が集中的に行われるスーパー・チューズデーと呼ばれる3月第2火曜日に、私は全米第二位の大票田であるテキサス州を受け持ちました。テキサス州では多くの人種と移民が暮らしていることもあり、共和党支持者、民主党支持者が入り乱れるエリアです。そこで私はヒスパニックの移民問題について企画取材を行いました。
取材には時差を考慮し、撮影・素材のデジタル化、日本への伝送、伝送メール。これらを一人で担います。ここで結構苦労します。日本への伝送作業に必須な電波も海外ならでは、安定しません。パソコンとWi-Fiルーターを持って電波を求めて走り回るのは、最近では通常作業となってきています。
また投票所からの生中継、ここでも苦労が絶えません。投票所のチーフマネージャーに中継の許諾はとったものの、次から次へと別のマネージャーが出てきて、許諾を求められます。それが本番1分前に来ることも。
そんな内心ドキドキの現場でも、画面越しで見る視聴者に悟られぬよう、落ち着いたカメラワークで撮影を続けます。テキサス州は人口も多いため開票作業も夜を徹して行われ、結果が出るのも日付をまたいでしまいました。

カメラマンがテキサス州で見た大統領選は、若者の選挙に対する意識の高さや、支持政党を優勢にするために、州を跨いでの引っ越しを行う人が居るなど、1人1人の選挙に対する思いの強さを感じました。
その一方、ヒスパニック系への選挙妨害として、過去には投票時間の制限や実際に投票所に入れないようにするなどの妨害もあったようです。知れば知るほど面白くなる大統領選挙。これからも目が離せません。
2020年の大統領選挙は新型コロナウイルスの影響で、在宅投票の可能性も出てきています。例年とは違った大統領選挙をアメリカで経験できるのも、貴重な経験になるに違いありません!
しかし、外出制限の中、取材に出る機会が減ってきているのも現実です。

さて次は、その外出制限のお話。

■タイムズスクエアから人が消えた!?

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年間訪問客数が常に世界の上位であるタイムズスクエア。「世界の交差点」とも言われたエリアから人が突如消えました。
ニューヨークにおけるコロナウイルスの死者数および経済に与える影響は、 すでに「9.11 アメリカ同時多発テロ」を上回っています。
その中心地であるニューヨークでは外出制限がかかり、街やレストラン、また自由の女神などの観光スポットからも人の姿が消えました。私がニューヨークに赴任してから一年が経ちますが、24時間賑わっていた街がこのような景色になる日が来るとは思いもよらなかったです。
そんな中、今の自分に何ができるのか。
日本の視聴者に別世界の出来事だと思わせないように何ができるのか。日々悩み続けています。

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私たちメディアは、この現状を報道する使命があり、エッセンシャルワーカーとして、外出制限の対象からは外されました。そこで最小限での取材体制をとったり、全員が感染することを防ぐためにスタッフの組み合わせにも最大限の注意を払うなどして取材に臨んでいます。
自ら感染する危険性がある中で、取材には細心の注意を払います。
マスク着用は勿論のこと、消毒液を常備し、インタビューの時も屋内は避け、2m以上離れて行うよう心がけています。
それは自分を守るためだけでなく、取材対象者とその場に居ないその対象者の家族や友人に感染させてしまわないようにするためでもあるのです。

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こういった有事の際は、1人でアポを取り、取材に行ってインタビューを撮ることもあります。
英語が話せない私は、日本人の取材対象者を探し、交渉、アポイントをとり、カメラを持って取材をします。感染リスクを減らすために公共交通機関は使用せず、自転車などを使ってマンハッタンを駆け回ります。

大型スーパーではまとめ買いする人が増え、多くのお客さんが押しかけていました。
そういった現象面も取材の移動中などで見つけ、撮影を行い、場合によっては翻訳ソフトを使って一人でインタビューも撮ります。

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今の、今しか撮れないニューヨークの姿を、日本テレビの映像ライブラリーに残すのは、このタイミングでこの場所に居るカメラマンの使命なのだと思っています。自分の撮った映像が10年後、100年後に活きるかもしれない局面に立っています。
歴史を記録する。その役目を担えるのもこの仕事の醍醐味ではないでしょうか!
ニューヨークでのコロナウイルスのピークは過ぎたと言われていますが、油断せず完全に終息するまで対策をきっちりとって取材していきます。
ニューヨークパートの映像を見たら、より一層コロナ対策をとっていただければ幸いです!
また次回、元気よくブログを更新できればと思います!STAY HOME!


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