REPORT 現場リポート
Freshman's Report 2024 Vol.5「放送技術センター 放送技術部」
皆さん、はじめまして。
第5回Freshman’s Reportは放送技術センター放送技術部の地上波マスター伊藤よりお届けいたします。
わたしは大学では情報学部に通っていたため、テレビ業務の技術に触れることなくNiTRoに入社いたしました。内定をいただいてから入社するまでは、正直不安な気持ちでいっぱいでした。
しかし、入社後に研修や配属を経て日々感じているのは心配する必要はなかったということです。どこの部署の方々も丁寧にそしてわかりやすく教えてくださいます。そんな温かい先輩方がたくさんいるNiTRoの一員になれたこと、誇りに思っています。
わたしは現在、放送技術部で地上波マスターの一員として毎日の放送を支えています。
地上波マスターではどういった仕事をしているのか、制作技術やポスプロに比べておそらくイメージしにくいと思いますので、今回のリポートで少しでもマスターの仕事について知っていただけたら嬉しいです。
■ マスターのお仕事「監視」
マスターの仕事として「監視」業務があります。
監視は24時間365日行われていますが、当然ただモニターを見ているだけではありません。監視中は放送されている映像に問題はないか、音声にノイズが入っていないか、次に放送される素材が事前にスタンバイされているかなど放送に不備がないかどうかを常に確認しています。さらに、放送で最も重要である「CM・提供」が問題なく放送されているかを意識しながら業務を行っています。
加えて、ニュース速報などのスーパーを送出するのも監視業務のひとつです。
わたしはこれまでに気象情報や地震速報、そしてオリンピックの際にはメダル情報の速報などいくつか送出しました。自分が押したボタンひとつで視聴者の方々へ情報を発信できたことに少し感動しました。
監視中の筆者
■ マスターのお仕事「有事対応」「番組放送枠の延長」
地震などの有事が発生した場合は事前に組まれた放送のプログラムを編集し対応にあたります。例えば、報道特番に合わせてCM・提供の削除や画面の端に文字情報を表示させるL字の挿入、後番組の開始時間を変更するなどです。
緊急時には迅速な対応が求められますが、この作業に不備があると放送事故に直結してしまいますので、いつ何時にも慌てず対応できるよう日頃からトレーニングを行い有事発生に備えています。
また、野球やバスケ等のスポーツ中継の放送時間を延長する作業もマスターの仕事のひとつです。試合内容によって、延長判断とされた場合には「マルチ(延長)ルート」と呼ばれる、事前に準備してある別の放送ルートに変更することによって試合の放送を継続することが可能になります。実際に、バスケの日本代表戦にて地上波の放送時間延長の作業を行いました。自分が延長ルートに変更したことで、番組表(EPG)が動いたことを確認した際には少々興奮した覚えがあります。
事前に組まれた放送のイベント(プログラム)をチェックします
生放送前にはスタジオ(副調整室)との回線のチェックも行います
■ マスターに配属されてみて
配属後3か月の研修を経て感じたことは、マスターの作業は確認項目が多いということです。放送に直接影響がある仕事だからこそ、放送が安全に運行されるようわたしたちが細かくチェックする必要があるからです。例えば、完成された素材(完パケ)の放送データと素材長が合っているか、提供がスーパーされる部分に重なるような本編テロップが入っていないかなど技術的な視点で事前に確認します。ここで問題点を見つければ放送事故を未然に防ぐことができます。そのため、マスターでの細かな確認作業は重要なのです。
また、マスターはシフト制で、毎週公休日が連続で定められています。半年ごとにシフトが変更されますが、ほかの部署よりも比較的休みがとりやすくプライベートの計画が立てやすいといわれています。わたしは毎月友人と会ったり、コンサートや舞台観劇など自分の好きなことを満喫し充実した休日を過ごしています。
VTRデッキで素材の中身を確認します
■ 最後に
就職活動をしていたころにNiTRoの魅力と感じていた組織の大きさと担っている業務の豊富さは、入社してからより一層研修を通し実感しました。
入社後2か月のNiTRo全部署の新人研修を受け、配属後3か月のマスターでの研修が終わり、現在独り立ちをしました。今日まであっという間の日々だったと感じています。今は毎日の業務に慣れるので精一杯ではありますが、今後もより一層責任感を持って日本テレビの放送を支えていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。