REPORT 現場リポート

Freshman's Report 2022 Vol.2 「CV運用部 報道編集」

2022.11.10
ポスプロ技術・報道編集

入社4か月で報道編集デビュー! 

■  CVセンターは、手厚い育成環境
初めまして。2022年度新入社員の中川洸です。私は6月から日本テレビのCVセンターで報道編集をしています。CVセンター(以下CV)は世界中から送られてくる多様な映像を、news every.やnews zeroなどの報道番組やスポーツニュースなどの生放送で確実に使用するため、24時間体制で収録・編集・送出まで担当しています。
さて、2022年4月に入社して早くも半年が過ぎました。入社後2ヶ月間は新入社員研修を受け、6月からCVに配属されたのですが、もともとカメラマンを目指して入社したこともあり、最初は少し戸惑いました。余談ですが、CVに配属された後に新人研修でお世話になった先輩方とお会いする機会が何度かあり、CV配属となったことをお伝えすると「CVかぁ~、日テレの中でも一二を争うバタバタ忙しい部署だよ」「CVは、日テレで一番時間に追われる部署だけど、いいスキルになるよ」と声をかけていただくことが多く、内心そんな厳しい部署でついて行けるのか、不安なまま配属を迎えました。
しかし、そんな不安は必要ありませんでした。なんとCVには、育成を担当する先輩が10名もいらっしゃるのです。研修や業務などでわからないこと困ったこと、意見をもらいたい時など、育成担当に聞きに行くとわかりやすく丁寧に、そして熱く教えてくださいます。納得のいくまで何度でもじっくりと教えていただけるので、まるで個別指導塾の先生のようです。また、教育担当の方が近くにいないときでも優しく教えてくださる方がたくさんいらっしゃいます。報道編集は、経験を積まなければわからない事が多くありますが育成環境が行き届いているので、安心して日々を送っています。

■  日テレで一番時間に追われるCVセンター
普段皆さんが何気なくご覧になっているnews every.やnews zeroなどの番組は、落ち着いて進行していると思われる方が多いと思いますが、先輩方からも言われたように、CVはとにかく時間に追われています。

①    ニュース項目の枠時間・・・news every.などの報道番組では、各項目の枠が細かく秒単位で時間が決められています。そのため少しでもその枠を溢れてしまったり、足りなかったりしてしまうだけで、ほかの枠にも影響が出てしまいます。決められた枠の秒数を守り、その中で最善の映像を作り上げていきます。

②    OAまでの時間・・・OA時間に間に合うようペース配分をして編集をしなくてはなりません。ギリギリまで粘って納得のいく映像にするか、まだ直したいけど余裕を持って完成させるか、新米の私にはまだその判断がつきませんが、先輩方は常にそれらを考えています。この判断を下すのも、編集マンの仕事です。

③    追い込まれる時間・・・報道番組は生放送の為、緊急ニュースが発生したり、放送予定のものが放送できなくなってしまったり、常に内容が変わっていきます。「予定していた時刻よりも早く放送しなければならない」「一部だけ内容を変えなければいけない」「速報を今すぐ放送したい」それぞれに対応できるよう気持ちの余裕を持つことが必要です。

これらの時間を守り、番組を安定して放送するために、CVは常に時間に追われ様々なことを考えながら編集をしています。自分の後ろで人が走り回っていようが、叫ばれ急かされようが、常に冷静に編集しなければなりません。ある先輩は、いつも落ち着いて淡々とこなしているように見えるのですが、追い込まれているときは内心ヒヤヒヤしながら編集しているとおっしゃっていました。このレポートを書いている今も、横を記者さんや編集マンが走り回り、賑やかなCVセンターです。配属前に先輩方から言われた、「日テレで一二を争うバタバタ」という言葉の意味を分かり始めた配属1ヶ月目でした。
しかし、会社では時間に追われていますが週休や希望休みもしっかりとれるのがCVの良いところです。CVはシフト勤務なので、用事や帰省など個人的な計画がとても立てやすいです。私は9月に遅めの夏休みを一週間いただき、地元の広島や大学のころ過ごした大阪に帰ってリフレッシュしたり、友達と遊びに行ったり、趣味の写真撮影に行ったりと羽を伸ばせました。

(日勤終わりに河口湖まで行ってきました)

■  そして2ヶ月目にOAデビューしました!

 

8月末のある日、いつも通りに研修をしていると、突然「これやってみるか」と教育担当に命じられnews every.でOAデビューする事になりました。CVは、他部署に比べてOAデビューするのが早いと聞いていましたが、まさに青天の霹靂で「ついに来た!」という嬉しさと「大丈夫か・・・」という不安の両方でした。初OAは「防衛費過去最大」というニュースで、枠時間が45秒でした。研修中の私は、育成担当の方が1人付いてサポートしていただきながら編集を進めていきます。

まずは、自分でニュースを把握して素材に目を通し一通り編集します。完成したら育成担当に見ていただきますが、なかなか一発で合格をもらうにはほど遠く、より伝わるように映像の順番を入れ替えてみたり、違う映像を使ってみたりと試行錯誤を繰り返して完成度を高めていきます。1時間前から始めたのに気がつけば、あと15分、あと10分と刻一刻とOA時間が迫ってきます。なんとか駆け足で完成させ、記者さんのチェックも修正なしでOKをいただき完成しました。CVのルール上安全運行のため10分前には完成させなければならないのですが、完成したのはOAの3分前とギリギリでした。編集中は、普段の倍以上の早さで時間が過ぎていくように感じ、まだまだ時間を把握する余裕が無いと反省しました。もっと無駄を省き作業にかかる時間を短くし、映像の内容を高めていきたいと思います。

こうしてOAデビューを迎えたわけですが、編集したものがテレビで流れているのを見てなんとも言えない感じがしました。ほんの数分前まで焦りながら編集していたものが、今、全国放送のテレビに映っている。これはCVでしか味わえない不思議な感覚だと思いました。その一方で、OAが終わっても不安でいっぱいでした。自分のつないだ映像で視聴者に伝わるのだろうか、間違った映像を使っていないだろうか、どんどんと不安が込み上がってきましたが、最後まで確認をした自分を信じてその日を終えました。後日、初OAを両親が見ていたことを知り遠く離れていてもテレビを通して繋がっているのだなと実感し、とても嬉しく思いました。

10月になり多い日には1日6本OA編集を担当する日もあり、あっという間に日々が過ぎていきます。1つ終われば、次のニュース、編集千本ノック状態です。報道編集は、ニュースをわかりやすく伝えるための映像をつなげる仕事です。ただ単にニュース原稿に合わせて映像をつなげるだけでも報道編集はできます。しかし、それではプロの編集マンは必要ありません。限られた時間で記者さんやカメラマンの思いをくみ取りながら映像の構成を考え、伝わる映像をつないでいくことこそが編集マンに必要とされるスキルです。「ニュースを見た人全員が映像だけで何のニュースかわかるよう編集しなければならない」と配属当初に研修で教わりました。今の私は、時間内に映像をつなげるだけで精一杯で、心がけてはいますが伝わる映像まで仕上げることができていません。時には1回でOKをもらえることもありますが、「紙芝居になっている」「まだまだだな」とお叱りを受けることもしょっちゅうです。

私は、映像を通して人に伝える仕事がしたいとテレビ業界を目指しNiTRoに入社しました。自分の編集した映像でニュースを伝える、正にこの夢を果たしたという喜びを感じています。人に情報を届けるという責任と大切さを改めて考え、分かりやすく丁寧な編集、そして中川にお願いしたいと思ってもらえる編集マンを目指して、日々精進していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。



著者(今は大型バイクに乗りたいので貯金中です )


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