REPORT 現場リポート

初めて震災の被災地を取材して ~FCTさんに応援取材行きました!~

2022.04.04
制作技術・報道技術

こんにちは!取材技術部VEの木村です。

世界中に衝撃を与えた東日本大震災から11年。
日テレ報道局は毎年この時期、福島中央テレビ(FCT)さんに応援クルーを送っています。
今年は入社6年目の古森カメラマンと、VE(音声・照明)として入社2年目の私が3月1日から3月12日までの12日間、福島県へ行きました。
そこで初めて被災地に行った私が見たもの、感じたことを綴ろうと思います。


■3.11を忘れない
12日間の取材では、福島県浪江町の請戸漁港で水揚げされたシラウオを、震災後初めてタイに輸出するという漁業復興の取材や、町全体が震災被害に遭ったために、場所を変えて伝統工芸品の大堀相馬焼を守り続けるお店の取材など、地元局ならではの取材を行いました。

また、3月10日には津波で亡くなった中学生の慰霊式を行う様子を撮影しました。震災当時は私も中学生でしたが、自分と同世代の方々が亡くなったという事実は信じがたいものでした。
 

こちらの写真は、黄色いハンカチに書かれた復興の願いや犠牲者への追悼メッセージを全国各地から集め、いわき市の薄磯地区に掲げるというプロジェクトです。
企画に携わった方は「3.11を忘れないで、辛くても目の前の現実から目を逸らさずに、東日本大震災を知らない子供達に伝えていかなければいけない。自分の身は自分で守れるように、二度とこんな悲しい出来事が起こらないように」と、熱い想いを伝えてくださりました。そして私達には「全国にニュースを届ける者として、もっと毎年大きく取り上げてほしい」と語っていました。


■11年目の福島
震災からちょうど11年の3月11日、福島第一原発の影響で帰宅困難区域だった双葉町に行き、壁面アートで町の再生を目指す方々を取材しました。町に着いた時、崩れたままの店や解体されていく家を見てとても驚きました。閑散とした町は、ここに人の暮らしがあったのかと疑ってしまう程、時が止まっているようでした。
また、アートで町を盛り上げ、人々を呼び込もうと行動する方々から、復興への強い意志を感じました。この壁面アートの放送を観た当時の住民の方々に町の様子が伝わることを願い、そして双葉町に住人が増えることを願いつつ取材をしました。
 



震災の取材を通して、この歴史的出来事を風化させず、節目の年だけでなく毎年大きく伝えていくことが大切であり、そして町の再生とともに人の心の再生こそが本当の復興であると思いました。
初めて直接被災地を見たこと、被災者の声を聞いたことは私にとってとても貴重な経験となりました。

先日も東北地方で震度6強の地震が起こり、取材技術部からカメラマン・VEが現地へ向かい取材を行いました。迅速かつ正確な情報を届けるために、日々の取材を重ね経験を積むことが大切で、有事の際に対応できることが私達の役割であると再認識しました。
 


【双葉町の様子】



■出張を経て
震災のことを考えたのはもちろんですが、地元の方と直接話をして美味しい食事をとり、福島県の多くの魅力を知ることが出来ました。
福島中央テレビの方々や一緒に応援クルーとして来ていたNNN系列の方々と交流することができ、とても嬉しかったです。
あっという間に過ぎた12日間でしたが、自分にとって実に濃く、印象に残る時間となりました。
 


左:筆者 右:古森カメラマン

 

 

 

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