REPORT 現場リポート

山の安全を守る山岳救助隊の密着取材・2021夏

2021.09.02
制作技術・報道技術

1年延期で開幕した東京オリンピック。
同じ頃、報道局映像取材部山岳班は夏の北アルプスを取材していた。


 
場所は長野県の穂高岳。
3000mを超える奥穂高岳を主峰とし、有名な岩場目当てのクライマーや登山者たちに人気の山。
その一方で、遭難や落石事故による救助事案が多い山でもある。
昨年はコロナの影響で登山者が少なかったそうだが、今年は登山者が戻り、その分遭難事案もコロナ禍以前と同じくらい発生している。


 
そこで山での危険を視聴者に伝えるため、登山者の安全を守る山岳救助隊の活動を密着取材した。
大自然の中とはいえ、「3密の回避」「手指の消毒」「体調管理」「登山中のマスク着用」など感染対策には必須である。そのため今回の取材はコロナ禍以前の山岳取材より注意を払わなければならい事案が多く、心身共に疲弊を強いられた。
通常の報道撮影では10kgほどある大きなカメラを肩に担ぎ仕事をしているが、山のプロである救助隊の密着となると大きなカメラではとてもついて行けない。そこで、カメラもドローンも小型の機材を選び撮影に臨む。

 

近年、撮影機材の小型化、高性能が進むおかげで撮影の幅も広がっている。とはいえ撮影しながらの登山は辛く、救助隊について行くだけでも過酷。収録された「ハァ、ハァ、ハァ」という息遣いや平地での撮影とは異なる揺れた映像から、改めて過酷な取材だったと振り返る。


 
今回の密着取材は先輩カメラマン発案の企画が実現化したため、普段なら記者や番組ディレクターが担当する制作面も自分たちで行った。
取材の交渉からスケジュール調整、現場での撮影、インタビューの内容を考え、インタビューするのもカメラマン。いつもと違う仕事に悪戦苦闘した。
相手の気持ちを引き出すため、言葉を選びながらの質問は難しい…。

「質問に気を取られても、画をおろそかには出来ない!」 と必死にカメラを固定する。

取材から戻っても撮影時間や場所の確認、細かい情報の収集、良いシーンのチェックなど放送するまでにやることは山積み。
今年はオリンピック関連の取材から山岳の取材まで、幅広い仕事をした夏になったなぁと、収録した映像を見ながらしみじみと感じる夏の終わりであった。


 
 

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