REPORT 現場リポート

コロナ禍での報道山岳訓練

2020.12.30
制作技術・報道技術

新型コロナウイルスの影響で、生活も取材の仕方も一変してしまいました。その様な状況ですが、報道山岳班は今年も群馬県の赤城山・妙義山で山岳訓練を行いました。

山岳地帯での事故・事件取材、中継などに備えて、山岳班は定期的に山に関する基礎知識・登山技術を山岳ガイドから教わっています。
今回も地図の読み方や、ロープワークなど山岳取材に必要な技術を訓練しました。

視界が悪くても現在地を把握し、難所でもロープで態勢を確保して撮影するなど、特殊な環境にも対応できるように技術を磨いていきます。

今回の訓練では例年と大きく違うところがあります。それは安全管理は当然のことながら、コロナ禍の中、感染対策にも気を使うことです。登山中はできるだけ間隔を開け、会話を少なくすることで、マスク等をしなくても感染のリスクは減らせると言われています。

それでも山岳取材ではどうしても会話をしなければならない場面があります。取材や中継を行う場合、撮影機材によって荷物は通常の登山より重くなり、少しの危険でもケガや機材の破損に繋がりかねません。「ここ滑るから注意」「枝あるから頭ぶつけないように」何でもないことでもお互いに声をかけあい注意喚起をします。どうしても飛沫拡散を完全に防ぐことは難しくなってしまいます。場合によっては取材対象者と距離が近くなってしまうことがあるかもしれません。

息苦しい・・・汗をかくとマスクが口元に張りついて呼吸がうまくできない・・・
距離をとって、マスクを外して深呼吸。少し登って深呼吸。そんな繰り返しだと、ペースがいつもより遅くなってしまいます。

そんな苦労の末登りきった場所からの景色、空気を吸い込んだ時の爽快感は山でしか味わえないものです。コロナ禍で色々と変わったけど、それは変わらないのだと感じました。
 
何でも制限してしまうのではなく、「出来る事」と「出来ない事」を見極める。「山に登らない」「取材をしない」ではなく、「何に気をつければコロナ禍でも山岳取材ができるのか」をこれからもじっくり考えていきます。


筆者
 

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