REPORT 現場リポート

編集室とクラウドのイイトコ取り、ハイブリッド編集!!!

2021.12.23
ポスプロ技術・報道編集

今回、私たちはクラウドサービスを展開する「Snowflake」というシステムを紹介する、ウェビナー・オンデマンド配信の編集を担当しました。

 

 

今回の作業は、本編30分程度のオンラインイベントを20本作成するもので、通常であれば制作時間と人員がかなり必要になります。そこで活躍したのが、NiTRoが開発に関わっている「クラウド編集システム」です。

クラウド編集システムには共有ストレージが用意されているため、複数の編集マンが素材を共有するためのデータコピーが不要となります。さらにプロジェクトファイルが共有されることで、エフェクトのコピーや、共通のカメラ割りや映像加工などのフォーマットが確認できるなど、複数の編集マンが共同作業する際には様々なメリットを享受できます。

■クラウド編集のワークフロー
今回の作業のワークフローは次の通りです。

 1. 収録現場にいるディレクターが、その場で素材をアップロード
 2. 別のディレクターがクラウド上の素材を確認し、指示書を作成
 3. 編集マンが指示書を元に編集し、チェック用のmp4ファイルを作成
 4. ディレクターがチェック用mp4ファイルを見て、修正箇所があれば編集マンに修正を指示



担当ディレクターは制作過程を振り返り、次のようにお話ししていました。


▶ 担当ディレクターの感想

通常は撮影終了後、素材を手持ちでNiTRoに搬入しますが、持ち込むのは収録の次の日、またはもっと遅くなることもあります。しかし、今回のクラウド編集システムを使うことで、2本目の収録をしている間に、1本目の素材のアップロードが完了していました。素材を持ち込む必要がないため、いち早く編集作業に入れたことや、移動時間が節約できたことが非常に助かりました。
今回は収録から納品までがタイトなスケジュールでしたが、クラウド編集システムのおかげで乗り超えることができました。


■実際の編集作業の流れ
作業には5人の編集マンが参加し、計20本を分担して編集しました。
以前の編集スタイルでは5人分の外付けHDDを用意し、それぞれに素材をコピーして配布しますが、クラウド編集システムでは常に最新の素材が共有されているため、外付けHDDは不要です。
1本目はNiTRoの編集室でディレクターと話し合いながら、イベント共通のフォーマットを作りました。最初にタイトルCGがあり、出演者の1ショットから始まり、説明部分はパワーポイント画面に小さく登壇者の顔を合成する…など、オンラインイベントのイメージが視聴者に分かりやすく届くようなスタイルを模索しながらフォーマットを作成しました。

その後2本目以降はリモートで編集しました。
担当の編集マンは収録素材がアップロードされると、1本目のフォーマットを参考にしながら、パワーポイント画面の加工や名前テロップの作成など、各自で進められる部分から始めます。ディレクターは編集作業と並行して、クラウドにアップロードされた素材を下見し、細かい編集内容の指示書を作成し、編集マンにメールで伝えます。

また、実際に作業した編集マンやシステム管理者からは、以下のようなコメントがありました。
 

▶ 編集マンAの感想

クラウド編集システムを使うことで制作との素材共有が非常にスムーズになり、効率が上がりました。収録後にアップロードされた素材をすぐに編集できるのは今までにないスピード感でした。また、度々発生する追加素材も、時間や場所を選ばすアップロードできるのは、ディレクターからも重宝されたと思います。


編集室での作業


▶ 編集マンBの感想

作業がクラウド上で完結できるので、端末さえあればいつでもどこでも編集できるのがとても便利だと思いました。Premiereはクラウド上でもオフライン編集室と同程度のマシンスペックがあり、レンダリングが早いのも嬉しかったです。
また、自分が編集しながら、他の編集マンの作業の過程や結果がリアルタイムで共有できるのは、編集のフォーマットを合わせる上で非常に参考になり、結果として作業時間の短縮につながったと思います。この編集スタイルが今後の主流になる可能性は高いと思いました。



突発的な直しを自宅で作業


▶ システム管理者の感想

今回は使用するフォントの指定がありました。
以前の編集スタイルでは、複数の編集室のマシンそれぞれにフォントのインストールが必要となりますが、各部屋の空き時間を見つけてインストール作業をしなければなりません。一方、クラウド編集システムでは、一度のシステム設定でフォントのインストールが完了し、システム設定後にログインすれば、編集マンはインストールされたフォントを即座に利用できます。個別にフォントを調達して複数マシンにインストールする作業が不要となるのは、システム管理の側面からもメリットがあります。
 


システム管理者

 

このようにNiTRoでは
『ディレクターと話し合いながら、コンテンツの内容やテロップの大きさなどをしっかり確認できるリアルな編集室』と、
『素材を常に共有しながら作業するリモート編集に最適なクラウド編集システム』の両方が利用できる環境を整えました。

これまでの編集室とクラウド編集システムを組み合わせた、このような「ハイブリッド編集」は様々な面で効率化が図れ、今後のスタンダードになっていくと考えています。

「クラウド編集システム」では、お客様のニーズに合わせて様々なプランをご用意できますので、ご要望の際はぜひNiTRoポスプロまでご連絡ください。


筆者

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