REPORT 現場リポート
パリオリンピックの報道 ~スポーツの祭典を彩るメディアの役割~
こんにちは!
日本選手団が海外開催では最多のメダル数を獲得して終わったパリオリンピック!
みなさんも手に汗握って応援していたのではないでしょうか?
今回私は報道チームのメンバーとして現地フランスで取材することができました。スポーツが大好きで、いつか携わりたいと思っていたので、現地に行けることが決定した時はとっても嬉しかったです!
そんな私が、報道チームがどのような取材をしたかお伝えします。
■ オリンピックに報道?
そもそもスポーツの大会であるオリンピックになぜ報道が行くの?と思うかもしれません。
スポーツ取材だから報道はいらないのではないか。
もちろんメインはスポーツ取材です!しかし、オリンピックには多くの国が参加し、世界各国のアスリートや要人、観客が開催地にやってきます。そのため、テロや外交問題、社会問題など何かニュースが起こった時にすぐに取材することも我々報道チームの役割です。
報道局映像取材部からはアクレディと呼ばれる「入構許可証」を持ち、競技場内をメインに取材するクルー(カメラとVE)とアクレディを持たず、競技場周辺やフランスの街をメインに取材するクルーの2クルーが行きました。私は前者のVEとして参加しました。
これに現地パリ支局を加えた3クルーが報道からの技術メンバーです。
ちなみに報道からは技術5名、制作9名、キャスターら出演者3名の計17名がフランスに行きました。
警察が馬で巡回することも
■ とはいってもやはりスポーツ取材!!
報道で行っているといってもオリンピックが開幕すれば関係なく、スポーツ取材の人手が足りなければ応援に行きます。私も卓球、柔道、競泳、バドミントンなどの競技取材に行きました。ずっと報道の部署にいるので、初スポーツ競技取材!わくわくして会場に行きました。取材中、フランス選手が出てきたときは盛り上がりがとてもすごく鳥肌が立つほどでした。
ただ楽しんでいたわけではなく、しっかり取材も行いました。VEの私はミックスゾーンと呼ばれるインタビュースペースで選手のインタビューを撮るのをメインで担当しました。
柔道の舟久保選手と橋本選手のメダル獲得後のインタビューを撮ったのは良い思い出です。
■ 報道目線でのスポーツ取材とは?
大会期間中『news every.』では現地中継を毎日行い、私も開幕式前や競技場周辺での中継を担当しました。
日本のワイヤレスマイクの周波数帯はフランスでは法律上使用できない為、事前に現地で機材をレンタルしました。しかし開幕式前日に中継を行おうとしたとき、ワイヤレスマイクの音が途切れてしまい中継で使用できる状況ではなく、その日は結局ガンマイクで中継を行いました。
観光名所で周りがうるさいなかで音をしっかり録らないといけないのでガンマイクは突っ込みたいが、パリの綺麗な景観にガンマイクが見切れるのは避けたかったので少し大変でした。
ワイヤレスマイクはというと、大会が進むにつれ使用できるようになりました。レンタルした機材の不調なのか、何らかの通信規制がかかり影響したのかは分かりませんが海外取材ではあるあるみたいです。
中継の様子です 毎回違う観光名所で中継を行なっていました!
■ 報道的スポーツ取材!
報道取材とスポーツ取材はどう違うのかというと、取材の目線が違います。
今回私は開幕前から問題となっていたセーヌ川の水質汚染取材に報道として行きました。
セーヌ川で行われる競技は“トライアスロン”と“マラソンスイミング”の2つ。
大雨の影響で水質が競技を行う基準を満たさず翌日に延期になっての開催。セーヌ川の実情と周囲の反応を伝えられるかがポイントです。
実際にセーヌ川の会場に行き競技を撮るのですが、セーヌ川を泳ぐ選手という目線で取材します。そのため、セーヌ川の水質汚染度合いが分かる映像に競技を絡めて撮影します。
スタート台の端に溜まった泡や汚れ、茶色く濁った川よりに選手が泳いでくる様子や水しぶきなどを撮影しました。
併せてセーヌ川の印象などについて観客のインタビューも取材しました。
ちなみに匂いを嗅いだ人はやはり臭いと言っていたので、そこに躊躇なく飛び込むアスリートの方たちは凄いなと思う反面、可哀そうだなと思いながら取材していました。
トライアスロン取材、スタート地点近くの橋から取材しました
■ 今回のパリオリンピックを通して・・・
初のスポーツ競技&海外取材がオリンピックという豪華さにワクワクしていた反面、その責任の重さに緊張する日々が続きました。
しかし、生で見る選手たちのプレーや感情のこもった言葉を取材できたことは、それ以上の感動と充実感がありました。
また、ボクシングの性別を巡る議論について報道取材も行いました。その際にネットの意見と実際の現場での意見の違いも感じ、改めて報道の直接取材して伝える事の重要性が分かりました。今回オリンピックを通して得た貴重な経験を今後の業務に活かしていくとともに、またオリンピック取材に参加できるように成長していきます。
筆者