REPORT 現場リポート

NHKの新番組を編集しました!

2020.10.09
ポスプロ技術・報道編集

NiTRoでは普段から様々な番組を編集して、テレビの前のみなさまにお届けしています。
さて「レギュラー番組」にはその番組のテイストがあります。たとえば日本テレビの「Going! Sports & News」であれば、こういう編集が多いかな? とか、「ぶらり途中下車の旅」だったらこういう編集はしないかな? なんてことを考えながら編集しています。

しかし、イチから創る新しい番組を編集する場合はいろいろなテイストを考えながらの作業になります。悩む時間も増えて作業が大変になることもありますが、そのテイストを考えることが編集マンの楽しみでもあります。

私たちは今回、NHK Eテレの新しい番組、「社会実験ドキュメント サビ抜きで。」(9月15日放送)という番組を編集しました。

この番組は寿司からワサビを抜くように、世の中から何か抜いてみる「社会実験ドキュメント」です。
今回は日本人から「ダメ出し」を抜いてみたら、どうなるのか? を実験しています。

最初にこの番組の企画を聞いた率直な感想は、今までにない発想の企画で面白い番組になりそうだということでした。
私は新しく何かを作り出そうとする時や新しいアイデアを考える時は、何かと何かを組み合わせて考えていますが、皆さんはどのようにお考えでしょうか?
足していくのではなく、既存のものから何かを抜いてみることによって新しい発見があったり、新しいアイデアが生まれたりすると思うととても楽しみです。

そんな企画概要を頭に入れて、私も収録に立ち会うことができました。
収録現場では出演者の関心が高かったポイントや話がおもしろく膨らんだポイントをメモしておきます。

その後、オフライン編集という作業になります。
収録時間は2時間程度。この2時間を放送時間の29分00秒に収めるため、収録でメモしておいたポイントを思い出しながら、ディレクターと方向性を確認しつつ、編集していきます。

新しい番組では全体の雰囲気やテイストをどうするかを決めていかなければならないので、番組の本質となる部分と過去の体験を生かして、「面白おかしく説明する部分」のバランスや、「どのようにナレーションを入れられるか」など、試行錯誤を繰り返します。

オフライン編集では番組プロデューサーやディレクターと何度も話し合い、放送尺の29分00秒に収めます。その後、ECS(オンライン編集)という映像加工・色調整・テロップ入れ作業になります。

 

今回は制作サイドにデザイナーさんがいて、CG・テロップの基本形が送られてきました。
ピンク(トロ)・緑(サビ)・白(シャリ)の基本3色だけを使い、文字のフォントを3種類程度に絞るなど、統一した世界観づくりをしていたので、ECSでもそれに従って加工・テロップを入れていきました。

ただ、デザイナーさんがつくるデータはデザイン作成に使用する形式の雛形となるので、映像にテロップとして入れるためにはテロップソフトの形式にしなければなりません。そこでAdobeソフトを駆使して、どんどん仕込んでいきます。

テロップは表示する内容が変わる分だけ枚数が増えます。例えば左画面のように、実験の被験者3人が並んで運動の回数をカウントする場面。カウントが増えるごとに1枚ずつのテロップを作らなくてはなりません。そのため1つの雛形をもとに100枚程度のテロップを作ることもありました。
今回のように、どのような「ルック(見た目・加工)」にしていくか、制作側が事前に決めている場合には、そのイメージと実際の映像に重ねた時に文字が小さくて見えづらいなぁ...などの
マッチング」をお互いにすり合わせしながら、いかに番組の雰囲気を崩さず、見やすくしていくかが腕の見せ所でした。

新しい番組では様々な定型テロップを作る作業に苦労しますが、この定型を使って次回以降はスムーズに作業ができると思います。

NiTRoでは、これからもテレビの前のみなさまが楽しみながら見られる新番組を編集していきます!

  
編集担当者

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