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報道中継部門研修リポート

2019.07.05 制作技術

先日、報道の中継部門で研修が行われました。
報道における技術の仕事には、「スタジオ」業務、「取材」業務などがあり、「中継」は、ニュースにおいて主には出先からの生中継をお茶の間に届ける仕事をしています。
その業務の一環として、スキルアップ、チームワークの向上のために月に一回テーマを設けて、本番想定した研修に取り組んでいます。

今回は、3台のカメラでのトーク番組の研修が行われました。MCがゲストに質問して番組を進めていく対談形式の模擬番組の研修です。

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研修の準備(今回は中継車横の車庫内に仮設セットを構築)

研修は、本番さながらで行われます。生中継は一発本番なので、その本番の時間までに、世の中に伝えたい情報を「わかりやすく」「見やすく」「正確に」届けられるように、セッティングを行い、段取り、カメラワークやミキシングの確認をしておくことが大切です。出演者の位置決め、オープニングのカメラ割(映すカメラの順番)、フリップを見せるカメラの確認など、細かなところまでチームで情報共有しておくことで、スムーズな収録が実現でき、見やすい番組をつくることができます。

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段取り確認 リハーサル後の再確認

そのリハーサルで、問題点をチェックして共有し、いざ本番です。台本はありますが、あくまで決まりの流れの確認でトークの話題やゲストに対する質問の答えによっては、急な動きがあるので本番中は終始気が抜けません。

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収録拠点の中継車 中継車内で調整

複数人いる「しゃべり手」の声の大きさは人それぞれ違うので、音声さんがそのレベルを合わせることに苦労することや、トーク内容によって、瞬時に見たいと思わせる画づくり、切り換えをすることにカメラさん、スイッチャーさんが頭を悩ますなど、大変な面もあります。

また今回は、「番組中に急に地震が発生する」という台本にはないハプニングも発生して、地震の伝え方を考えさせられました。

研修とはいえ、やはり緊張してしまいます。そのため、あらかじめ打ち合わせた通りにすべて完璧に行うことは難しいです。研修後に収録したものを見返すと、所々に課題が浮き上がってくるので、それを日頃の仕事、次回の研修に改善できるようにしなければと毎回考えさせられます。

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本番スタート 本番の様子

どの仕事にも言えることですが、特に報道における中継の業務はチームワークが非常に大切です。中継先に出ている人だけでなく、映像を本社でつなげてくれる人との密接なコンタクト、報道フロアやスタジオサブからの指示、情報共有して連携を図ることにより、正確、速やかな映像、音声を届けることが実現できます。
そして、報道中継は、事件、事故や急遽決まった会見などの中継がほとんどなので、生放送までに極めて時間のない中で、「中継先での場所が狭い」「立ち入り禁止エリアがある」などの制限や、「限られた機材しか使用できない」など、様々な制約の中で、カメラ、マイクなどの中継の準備、伝送方法の構築を行い、品質の高い中継を届けなければいけません。

多くの人の関わりがあって、映像、音声をつくることができ、放送としてテレビで見ることが実現できているので、プレッシャーや緊張感がありますが、やり遂げたときの達成感は大きいです。
今後もこのような研修を通して、個のスキルアップとチームとしての団結力を固め、日々の鍛錬を忘れることなく、多くの人に真実を正確に伝え、社会に貢献できる放送を届けていきます。