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福島中央テレビさんへ応援に行きました!

2019.03.28 制作技術
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  福島中央テレビ本社

ネット局が多忙な時は、記者・カメラマン・VE・ドライバーが1クルーとなって応援に行くことがあります。

今回、日本テレビから福島中央テレビ(FCT)さんに、応援クルーが行き様々な取材をしましたが、私もVEとしてクルーに参加させていただきました。

 

 

 

■ 福島中央テレビに着いて
福島県最大の都市、郡山市に本社がある福島中央テレビさんでは、地元の取材が数多く行われています。そこから私たちも福島県各地に向かいました。梅が満開のお寺や、鮭の稚魚の放流、地元の食べ物を紹介するコーナーなど、様々なジャンルの取材を行いました。

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元々は相馬に窯を持っていた陶芸職人の取材へ 実際に福島で放送されたOA画面

福島中央テレビでは平日夕方に「ゴジてれ Chu !」という情報番組を生放送しているのですが、その中に長期に渡り放送している「きぼう〜ふくしまのめばえ~」というコーナーがあります。そのコーナーでの、「最近赤ちゃんが産まれた家族にインタビュー」をする企画が印象的で、赤ちゃんの一挙一動は勿論、お父さんお母さんの表情や言葉に感動しました。
地域に密着し、心があたたまるようなネタを取り上げられるのも、ネット局ならではと感じました。

 

■ 震災関連の取材も
私が応援に行ったのが、3月5日(火)~12日(火)の1週間ということもあり、福島では東日本大震災関連の取材も行いました

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ステージエリアの他、きれいに芝生が整備されたサッカー場でプレイする様子

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来場者がキャンドルに思い思いのメッセージを書く  

その取材の内の1つ、復興支援フェスである「SONG OF THE EARTH FUKUSHIMA 311」、通称「SOTE311」は、Jヴィレッジで開催されました。
Jヴィレッジは福島県双葉郡の広野町と楢葉町に跨がって立地している、サッカーのナショナルトレーニングセンターです。ここは福島第一原子力発電所からとても近いため、事故の後は全面閉鎖され、除染が行われるまでは放射線量が高く立ち入ることができない場所でした。

数年前には関係者しか入ることができなかった場所で響く歌声は、様々な人にとって思い入れのあるものだと思います。

■ そして3.11当日
東日本大震災当日である3月11日は、午前・午後と2件の取材を行いました。
朝一番では双葉郡葛尾村の小学校に向かい、登校してくる小学生を待ちました。葛尾村は、数年前まで放射線量の影響で立ち入ることができなかった村です。
小学校の全校集会では黙祷が行われました。児童たちは、震災当時は幼稚園児。まだ産まれていない児童もいました。
当時、放射線量が高く、幼稚園が閉鎖される危機の中、子どもたちの「幼稚園をなくさないで」という一言で、仮園舎で続けることができたという幼稚園教諭の話からは、「悲しみ・絶望の中に、今があるのは子どもたちがいるから」、という希望が見えました。

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実際に放送された画像 全校集会での黙祷の様子

午後には、福島第一原発近くにある、東京電力の事務所へ向かいました。そこでは東日本大震災の発災時刻である14時46分に合わせて黙祷が行われ、続いて社長のインタビュー取材が行われました。
福島第一原発に向かう道中、車から見えた街は震災当時から時が止まっていたようでした。
初めて見る光景にショックを受け、これが現実であることを痛感しました。

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取材をしていくうちに見えてくる、復興している福島県。そこで希望を持っている人々の声に心が打たれたと同時に、言葉にならないものを感じました。

震災当時、関西在住の高校生だった私には、東日本大震災はどこか「テレビの向こうに映る無縁のこと」のように感じていましたが、今回取材を通してその考えは一変し、「わたしが伝えることができるものは何か?」とたくさん考えるようになりました。

■ 最後に
初めての被災地での取材では、復興に向けて前を向いている福島県を見ました。
テレビで流れているニュースを観ているだけでは分からない、8年経っても癒えない痛みを感じました。
それに加えて、ありのままを伝えなければならない取材方法に難しさを感じることができたとともに、福島中央テレビさんに応援に行かなければ知らなかった事をたくさん知ることができました。

私はこの1週間で、誰にも経験できないことを経験してきたと思っています。

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筆者