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初めての現場編集は... "ワクワク" "ドキドキ" "ハラハラ"

2020.04.01 ポスプロ技術

2020年2月22日・23日、新潟県の苗場スキー場にて「Audi FIS アルペンスキーワールドカップ2020 にいがた湯沢苗場大会」が開催されました。そこでこの大会のホスト放送局である、テレビ新潟放送網(TeNY)のお手伝いをするべく、村上(スキー歴30年)と村山(スキー歴26年・スノボも得意)の2人の編集マンが東京から出張しました。

■ アルペンスキーワールドカップとは?
1967年から毎年欧米を中心に世界約20の都市で行われている大会で、今回4年ぶりに新潟・苗場で開催されました。
アルペンスキー競技には、「回転」「大回転」「スーパー大回転」「滑降」の4つのカテゴリーがあります。それぞれは回転の数やスピード、距離などに図のような細かな違いがあります。
今回の苗場大会では、男子大回転(22日)男子回転(23日)の開催で、地元出身の若月隼太選手(21歳)のW杯初出場という話題と共に注目が集まりました。

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■ 苗場には行けない!?
今回の放送ワークフローは、会場である苗場から回線を使って映像を100km離れたTeNY本社に送り、それを2台のEDIUSで編集した後、サブコンから送出するという流れでした。

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というわけで、今回の我々の仕事場は新潟市内にあるTeNY本社で、現場である苗場には行けないのです(泣)。
放送は実際の競技時間よりも遅い「ディレード放送」ということで、10時から約4時間掛かる試合を当日夕方のOAまでに1時間尺に編集します。
レースは全員が滑走する1本目、そして上位30人が進める2本目と行われ、その2本の合計タイムで順位が競われます。今回は1本目では主に日本人選手を、2本目では出走した30人全員の滑走を長く見せるよう編集しました。

■ 2月22日(土)男子大回転
この日は朝8時にTeNYに集合し、早速作業開始。
オープニングや提供バックに使える情景などの映像が続々送られて来るので、競技スタート前に既に編集は始まっています。

10時、1本目スタート。
レース後半には、6人の日本人選手が登場。誰か一人でも2本目に進めたら、インタビューも入れることになっていたので、固唾を飲んで見守りました。
結果は39位の加藤聖五選手が日本人最高位、初出場の若月隼太選手は50位。
これは"日本人のインタビューは無しだな~"なんて思っていたら、急遽若月選手のインタビューを入れることに。この急な変更に私はちょっと焦りましたが、若月選手が堂々と受け答えする映像を見て、焦りよりも"若きチャレンジャーの熱意を伝えたい!"という気持ちが勝りました。

13時、2本目スタート。
1本目13位のズブチッチ選手(クロアチア)が2本目で好タイムを叩き出し、逆転初優勝という波乱の好レースでした。
2本目は、基本は滑りをノーカットで見せつつ、各選手のスロー映像やゴール後の表情などをどれだけ切るか・生かすかディレクターと相談して編集します。
OA開始時にはまだ後半のVTRが送りきれておらずハラハラしましたが、無事OA終了。

■ 2月23日(日)男子回転、のはずが・・・
この日はやや遅く8時30分集合。前日と打って変わって風雪強い悪天候。

定刻10時にレースは始まらず、そのまま待機していると、スタート時刻が10時15分、11時、11時30分とどんどん遅くなっていきます。
どんなにスタートが遅れようと16時25分のOA開始時間は変わらないので、作業はさらにタイトになります。そのため編集でテロップを入れるのを諦め、サブコンで出す準備をしました。
編集での工程が一つ減ったとはいえ、昨日以上にシビれそうだと気合を入れていた矢先・・・

12時30分、荒天のため中止に。
全身の力が抜けました。
前日はVTRの完成がギリギリになったので"今日は余裕持ってやるぞ"、と思っていたのにー!
自然相手の競技ですから、こういうこともあるのです。

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  スキーの草大会に出た約25年前の筆者

■ 忘れられない「一体感」
我々は、実は出張での編集は今回が初めてでした。
日頃の作業とは異なり、長い試合をいかにまとめていくか、どのコメントを使うかなど、普段と違う頭の使い方が必要でした。
試合終了からOAまでの時間も短く緊張の連続でしたが、TeNYの制作チームの皆さんと共に作っていく一体感は忘れられないものになりました。
また印象的だったのは、TeNYでは報道編集ブースや制作さんのデスク、アナウンサーの皆さんのデスクも同じフロアの中にあったことです。
アナウンサーの方が編集ブースでナレーションを読んでくださり、それに応じて私たちが映像の長さを調整するという場面もありました。
持ち場が違うスタッフ同士の距離が近く、チームワークがあってこそ地域のニュースや新潟ならではの企画が作られているんだな、と感じました。

最後に...お昼にいただいた仕出し弁当が2日間とも、とーっても美味しかったです!
さすが米どころ・新潟、ごはんだけでごはんが食べられる(おかずがなくても箸が進む)というお弁当は初めてでした。

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筆者