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Shiodome19Boxにノンリニア編集室が増えました

2019.04.19 ポスプロ技術

日本テレビタワー19階のShiodome19Boxでは、リニア編集室であった24st、25stのノンリニア化更新を昨年秋に行いました。今回それに続き、10stがノンリニア編集室の3部屋目として生まれ変わりました

■ リニア編集室からノンリニア編集室へ
Shiodome19Boxは日本テレビタワー内にある編集室で、情報系の番組を中心に業務を行っています。これらの番組の生放送中には様々なVTRが流れますが、少しでもホットな情報を提供するために、放送直前まで追い込み編集をしています。そのような作業には収録されたVTRテープの映像・音声をそのまま作業できるリニア編集室が大きな役割を果たしていました。

しかし、ポスプロ業務における放送設備もVTRからファイルベースへ大きく移行しています。また納品するメディアもVTRから業務用ディスクに代わり、ノンリニア編集の方が優位となるケースも増えています。そこで更新を迎えたリニア編集室をノンリニアへと生まれ変えました。
部屋の大きさはそのままでリニアからノンリニアへ更新したため、機材の数は圧倒的に少なくなり、広々とした空間でゆったりと編集作業が行えるようになりました。

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リニア編集時代の旧10st ノンリニア化された新10st
広々となった感じが写真では伝わりにくいようですが...

■ 部屋の空間だけでなく、効率も!クオリティも!グレードアップしました。
近年では編集素材としてテープではなくデータの持ち込みがほとんどとなりましたが、ノンリニア編集室になるとそれらの素材を容易に扱えます。さらに制作側がオフライン編集で使用するAdobe PremiereやApple Final Cut Proとも効率的に素材やデータのやり取りができます。またCGやプラグインエフェクトなどを組み合わせることにより、ノンリニアならではの複雑で特殊な映像加工が可能となり、作品のクオリティも上がりました。

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当社のノンリニア編集室でメインとして使用しているEDIUS Proの操作モニターは16:9の画角で運用していましたが、今回は初の試みで画角21:9のウルトラワイドモニターを採用しました。
画面の横幅が大きくなったことで何よりも助かるのはタイムラインの表示です。特番などで本編尺が長くなる場合でも、タイムライン上にすべてを表示できるのは非常に見やすく、画面が広く使えることで作業のパフォーマンスも上がります。現在は主にバラエティー番組や情報番組の編集作業を行っています。

■ ネットワーク化
Shiodome19Box内のノンリニア編集室間はネットワークで繋がりデータ共用が可能となっています。さらに、道路を挟んだ既存の丸進ビルPost Production Centerのノンリニア編集室ともデータのやり取りがスムーズに行えるよう構築しており、急な直し作業等にも対応可能となっています。

■ ノンリニア編集ソフト
編集ソフトはグラスバレー社製EDIUS Proを使用しています。24st、25stと同様にプラグインにはSapphire、proDADを導入し、映像加工やフレアを用いたテロップのエフェクトなど幅広い演出効果を実現しています。
編集室にはサブPCも設置し、Adobe Premiere Pro(Mac)でオフラインのプロジェクト持ち込みに対応しています。

■ 最後に
執筆を担当した杉本温子です。長年リニア編集を担当して来ましたが、今回のノンリニアシステム工事に携わり、色々な経験が出来ました。
Shiodome19Boxにはリニア編集室がまだまだ現役で活躍していますが、これからはノンリニアへと移行していきます。リニアでの知識と今回の経験を活かし、より良い編集室を作っていけるよう努めていきたいと思っています。

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筆者