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Freshman's Report 2018 Vol.1 「BSマスター」

2018.08.20 放送技術・写真技術

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■ はじめに
本年度の新入社員9名は4月に入社してからおよそ2ヶ月間のグループ合同研修や、NiTRo現場研修を終え、6月よりそれぞれの部署に配属されました。毎年恒例となっている新入社員リポート。2018年度の第1回は放送技術センター運行技術部BSマスターに配属となりました鰍澤がお届けします。
現場リポートの読者には学生の方も多いかと思いますが、実は私がNiTRoを知ったのも、この現場リポートがきっかけでした。NiTRoがなにをしているのか、どんな人が働いているのか、みなさまが少しでも興味を持って頂けるようにお伝えできればと思います。

 

■ マスターとは?

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  BSマスター内の様子

マスターとは放送局に存在する部署で、予定された番組やCM、提供を正確に送出する役割を担っています。スタジオやロケで撮影された映像がポスプロで編集され、完成した映像を最後に送出するのがマスターです。ここから皆さんのもとへ番組をお届けしています。
送出とは放送局から全国の家庭に向けて放送を送り出すことをいいますが、私が担当しているBS日本は衛星を経由して全国一波で放送しています。
マスターはいわば放送の最終段階であり、ここでのミスやトラブルは放送事故に直結するため、責任のある重要な部署となっています。

 

■ マスターの業務

マスターの主要な業務に映像の「監視」があります。「監視」とはその言葉通り、放送されているテレビの見張りをすることです 「送出している映像・音声に問題がないか」、「ノイズ等が出ていないか」、「予定された番組やCMが正常に流れているか」など、放送に不都合がないか警戒し見張る業務です。最近私は徐々に監視業務の研修をしています。
初めは多数のモニターに表示される多くの情報をどうみればいいか分からず、キョロキョロしていましたが、次第に見方が掴めて来ました。とはいえ、いつ起こるかわからないトラブルを思うと緊張します。
また、ニュースや地震などの速報を出すのもマスターの重要な業務です。速報を出す際には細かいルールがありますが、スピードも求められます。場合によっては命に関わることもあるので緊張します。

 

■ 重要なのはコミュニケーション!

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監視卓からはこんな景色です  

マスターは二重三重化されたシステムになっており、放送に関わる様々なシステムと連携しているため、その構造は非常に複雑になっています。私は文系で大学ではジャーナリズムを専攻していたため、システムを理解するのに苦労する場面もありますが、最も重要なことは「コミュニケーション」だと実感しています。2人での勤務が基本のマスターではパートナーとの連携が必要不可欠です。
速報や機器操作など放送に直結する作業はもちろんのこと、アラーム発生時やデータチェックなど何か動きがあれば2人で共有するようにしています。また、様々な出来事をノートに記載し、交代時に引き継ぐことで、24時間365日稼動しているマスターで何があったのかを全員が共有し、安定運行に勤めています。

 

■ 最後に
マスターについて少しはお伝えすることが出来たでしょうか?
マスターは「放送局の心臓」とも呼ばれます。最近まで「いち視聴者」、「いち学生」だった私がそんな重要な部署で働いているのは不思議に感じることもありますが、ここでしか経験の出来ないことがたくさんあります。もしかしたら自分が送り出した速報で助かる命があるかもしれません。責任も大きいですがその分やりがいもあります。
ただ私も配属されたばかり・・・。まだまだわからないことの方がはるかに多いので、勉強の日々です。今は覚えるので精一杯なところもありますが、業務を覚えた上で広い視野を持ち、様々な事象に冷静さを持って対処できる技術者になりたいと思います。

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筆者


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