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写真部の24時間テレビ

2016.09.26 放送技術・写真技術

毎年恒例、夏の終わりの大仕事、「24時間テレビ 愛は地球を救う」が今年も8月最後の週末に行われました。NiTRoは制作技術センターなどから大勢のスタッフが中継やスタジオ班として参加しますが、我々写真部も日本テレビ宣伝部の依頼で出動しました。

image1.jpgNiTRo写真部のスチールカメラ班はメイン会場である日本武道館とマラソンのスタート地点、この二カ所に分かれて撮影が始まります。

武道館内にはスチールカメラ用の場所は特に設けられていないため、他のスタッフに混ざり進行の妨げにならないよう心掛けて撮影します。普段のスタジオ収録撮影とは一味違った、生放送の大型イベント特有の臨場感や緊張感、さらに会場の雰囲気に飲まれないように平常心を保つことが大事なポイントです。

image2.jpgまた武道館のフロアには存在感があるテクノクレーンが二台設置されていて、歌やパフォーマンスに合わせて、迫力ある映像を収める為にもの凄く動きます。これを上手くかわし、なおかつ他のテレビカメラの動きにも注意しながら撮影するので、普段の仕事以上に視野を広く保ち、日々培ったフットワークを生かし、会場内を動き回ります。




初日は放送が始まる数時間前に武道館に入り、当日の企画を確認、機材準備を万全にして撮影に挑みます。18時半には緊張のオープニングを迎え、その後目まぐるしく進む各コーナーを捉え、24時間ドラマが始まると帰社して、大量に撮った写真のセレクト。帰宅して放送を見つつ二日目に備えます。

一方、マラソン撮影担当のカメラマンは別班で出動しスタート地点へ。こちらも武道館とは別の緊張感の中で撮影します。CM中の短時間にランナーと応援の出演者の集合写真を撮り、いよいよスタート!
スタート時は連写でランナーを捉えますが、ランナーが過ぎ去っても終わりではありません。すぐさま撮った写真をセレクトして宣伝担当者が各媒体に配信します。これが翌日の新聞などの芸能欄を飾るわけです。このように、撮影した写真をすぐに送信できるのはデジタル化してからの強みです。
フィルム時代は複数撮ったフィルムをオートバイ便で送ったりしていました。

image3.jpgさて二日目の武道館班は屋外に展示してある福祉車両や会場周りなどを午前中から撮影します。
その後、武道館内に入りメインパーソナリティーと一般の方々が熱演するパフォーマンスの数々を心の中で応援し、感動する場面では涙をぐっと堪え撮影していきます。

番組が終盤に差し掛かりマラソンのゴールが近づくと、各ポイントでランナーを撮っていたマラソン担当のカメラマンと合流して、ゴールの大フィナーレを三ヵ所に分かれて撮影に挑みます。それぞれの持ち場で最高の絵を押さえるべくポジショニングしますが、これは生放送に付き物の様々なアクシデントに備えるためでもあります。
image4.jpgこのクライマックスは絶対に撮り逃すことはできません!
そして感動のゴール! 緊張も興奮もマックスですが、そんな自身を冷静に見つめ、落ち着いて状況判断をしながらシャッターが切れるのもプロフェッショナルの仕事と言えます。






24時間テレビの後は精神的にも肉体的にもどっと疲れますが、夏の最大級イベントなので達成感も最大級です! 子供の頃から毎年楽しみに見ていたこの番組にスタッフとして参加できるのはやはり感慨深いものがあります。
ただ、これで終わりではありません。今年の反省を来年に生かすべく、日々技術の研鑽に努力し、さらに上を目指すのも我々技術者集団NiTRoの仕事でもあります。

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