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新しいドラマが始まります!~スチールカメラマンという仕事~ 

2016.05.24 放送技術・写真技術

4月にスタートしたドラマも後半戦に入り、順調に撮影が続いています。我々写真部のカメラマンもNiTRoのドラマ撮影チームとともに、撮影現場にスタッフとして参加し、視聴者の方々に作品の面白さを伝える宣伝用写真を撮っています。この業務を「スチール」と呼んでいます。あまり馴染みがない言葉だとは思いますが、映画やドラマのエンドロールには必ず載っていますのでちょっと気にしてみてください。

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さてその「スチール」カメラマンは、通常はロケや収録スタジオで宣伝用写真を撮るわけですが、時にはドラマ本編の収録が始まる前にドラマのコンセプトに合わせて主役の俳優さんや女優さんの写真を撮ることもあります。こういった写真は「一報出し」と呼ばれており、エンタテイメントニュースとして新聞やネットなど様々な媒体に掲載され、新しいドラマのイメージとして視聴者の皆様に伝わるわけです。つまりこの写真が新しいドラマの第一歩となるため、視聴者の皆様の期待を膨らませるような写真が必要となります。
これはいつもに増して重要かつ責任ある撮影です。
もちろん緊張感はあるのですが、カメラマンとしてはワクワク感の方が強いです!

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こういった撮影の場合、通常はセットなどができていないので、写真スタジオなどにおいて行います。写真の背景は基本的には無地が多いのですが、作品の色にあわせて文字通り色付のバック紙を使うこともあります。
ライトも通常撮影用のタングステンライトではなく大型ストロボを使用します。大型ストロボを使用することにより大光量を得られ、撮影感度も低くでき、結果としてよりきめ細やかな仕上がりになるためです。

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現場では宣伝部担当者、プロデューサーとの打ち合わせの後、ライティングを決め、テスト撮影をして、準備万端でお支度中の女優さんを待ちます。

気が付かれた方も多いと思いますがカメラにはパソコンが接続されています。近年ではデジタル撮影になったため、撮った写真をその場でパソコンのモニターに出してスタッフで確認することができます。クライアントである宣伝部担当者、プロデューサー、そしてメイクさんやスタイリストさんが、よりよい写真を撮るため確認作業でモニターに注目してくれます。「これから始まるドラマのためのより良い写真」に向けて、ベクトルが一致している心強いスタッフです。

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フィルム時代では考えられなかったことですが、このようにパソコンで確認する方式は現在ではポスターなどの撮影では主流になっています。時代にあった技術を取り入れ、時代にあった設備を揃えられるのも技術集団であるNiTRoの強みでもあります。
さあ、各所スタンバイが整ったようです!
いよいよ撮影開始です。

UDA.jpg 筆者