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運行技術部 発 ちょっとだけ技術なコラム 其の十 「BS 4K/8Kの話(2)」

2018.03.09 放送技術・写真技術

■帯域再編とは何か?
2018年12月から放送衛星を使ったBS放送や通信衛星を使ったCS放送で4K/8Kの実用放送がスタートします。それに備えてBS側の準備の一環として帯域が再編されました。4K/8Kはまだ先の話だと思っている方、実は今年ですよ!!

ところで、電波も限られた資源であり、4K/8K放送が始まるからといって増やすことはできません。BS放送用として使える帯域も決められていて、その帯域を各放送局に振り分けて放送しているのですが、現段階で使用できる帯域はほぼいっぱい使っているため余っている帯域もありません。そこで「帯域再編」を行う必要があります。「タイイキサイヘン???」と思うかもしれませんが、あきらめないで!!!

 

■そもそも帯域とはなんだ??
帯域とは放送で使われる周波数の範囲のことで、BSデジタル放送の場合には、複数の番組を放送するため、放送衛星の1トランスポンダ(中継器)をスロットという単位で分割します。トランスポンダとは電波の周波数を表わす「物理チャンネル」のことです。それに対して皆さんがリモコンで操作する放送中の番組を表わすチャンネルを「論理チャンネル」と呼びます。
ところで1スロットで伝送できる容量は約1Mbps、つまり1秒間に1メガビットのデータを送れる幅になります。BS放送は局ごとに割り当てられた電波の帯域を使って放送をしていますが、その一つの帯域は48スロットに分かれています。今まではBS日テレとBSフジでその中を半分の24スロットに分けて使用していました。

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帯域再編前のBS放送のテレビ番組のチャンネル配置図(下の数字は使用スロット数)

 

■ 具体的な帯域再編を見てみよう!!  ・・・帯域再編
4K/8Kを放送するためには、なんとかして帯域を作り出すことが必要です。そのため各局が現在使っている帯域を、放送サービスに影響のない範囲で出し合う「帯域再編」を行います。帯域再編はそのやり方から「幅寄せ」とも呼ばれています。
その結果、帯域再編でできた空き帯域と、現在実施している4K8K試験放送を終了することでできる空き帯域(17ch)を使用することで、NHKと民放5局等で4K放送ができるようになるのです。
具体的には今まで48スロットの幅を1放送あたり24スロット使用していたものを、16スロットにダウンサイジングし、16スロットの余裕を作る作業を行いました。
そのほかにもこれから始まる4K放送では既存2K放送の2倍の伝送容量になるため、符号化を現在MPEG-2からH.265/HEVCという方式に変更したり、NHKが始める8K放送にいたってはトランスポンダを丸ごと使う容量になるなど、様々な最新技術が使われています。

 

■ 具体的な帯域再編を見てみよう!!  ・・・変調方式の変更
さらに4K放送を始めるために、変調方式を変えて帯域を稼いでいます。
電波で信号を送るためには元々そのままの信号を送信用の電波(搬送波)に乗せられるように操作をする必要がありますが、その操作を「変調」といいます。
現在のBSデジタル放送で使われている「TC8PSK(Trellis Code 8Phase Shift Keying)」という変調方式を「16APSK(16 Amplitude and Phase Shift Keying)」という方法に変えることにより、今まで一度に3bit送れていた情報量を4bit送れるようになりました。それだけ一度に送れる情報量が多いという事ですね。

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平成30年12月1日以降のBS放送のテレビ番組チャンネル配置図
(BS日テレは平成31年12月1日より)  出典:総務省資料

平成30年以降のチャンネル配置図を見ていただくと、赤い部分が4Kの放送に使われる「物理チャンネル」です。
帯域再編に加え変調方式を変えることで40×3=120スロットを使うことができるようになり、これで4K放送を実現できます。
このように今年の年末にもうすぐ始まる4K放送のために実はいろいろな準備が必要で、それがどんどん進んでいるのです。
私たちがキレイな映像を見ることができるように技術は進歩しているのですね!

今年2018年12月には4K実用放送が始まります。(BS日テレは2019年12月に実用放送予定)
8K放送も左旋の偏波でNHKが2018年末に開始。続いてCSのスカパーやWOWOWも放送を始める予定です!!
目が離せませんよ~~~~~~それではまた!!