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熊本県民テレビマスター更新の応援に行きました!

2017.10.05 放送技術・写真技術

■ はじめに

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旧マスター内部

熊本県民テレビ(KKT コールサイン JOQD-DTV)はこの夏、開局以来35年間使用してきた熊本市世安町の社屋から熊本市中央区大江に建設した新社屋に移転し、それに伴いマスター設備や放送する番組、CMなどを一元的に管理する「営業放送システム」の更新作業も行われました。

新マスターの稼働にあたっては、KKTマスターの皆様が「トレーニング」や「確認」、さらに「トラブルシューティング」を行う必要がありますが、その間にも放送は続いています。そこで普段日本テレビのマスターで勤務している私が熊本に2か月間出張し、旧マスターで監視業務や放送用VTRのセットなどの応援を行ってきました。


■ 系列局マスター業務で感じたこと
KKTのマスターでは「ネット回線」がどのように使われているのかを管理、把握も行っています。ネット回線とは、日本テレビ系列でニュース映像素材など送り受けする際に利用するNTTコミュニケーションズの放送用回線のことを指します。また無線中継伝送装置(FPU=Field Pickup Unit)を使用して中継先から生放送などを行う際の端末操作も行います。

関東ではテレビは東京スカイツリーから電波を送信していますが、熊本ではNHKおよび民放各局が、市の西側にそびえる「金峰山」に送信設備を置いています。また熊本県は阿蘇山や九州山地の山々による地形的影響を受けるために、サテライト中継局(中継送信局)が大小合わせて65局もありますが、これらのトラブルなどもマスターにある監視端末で把握し、対応します。

その他、サブコン(副調整室)や運行のトラブル対応など、多岐に渡る業務を少人数で行うので、多角的な視点を持っておく事が大切だと思いましたし、色々な業務を経験できる面白さもあります。

ところで放送局には各局でそれぞれのローカルルールがあり、それについては研修で覚えなければなりません。また、システムに関してもメーカーによって設計思想が異なるため、本線や制御、細かいところではスイッチのボタン配置などがメーカーによって違います。しかし普段から仕様書や系統図を見て理解しておく事で、勤務場所が変わってもシステムの早い理解が可能になることを今回の応援で一番感じました。
日本テレビマスターとKKTマスターのメーカーが同じなので今回私が応援に行った、という事情もあります。


■ 災害対応など
万が一災害が発生した時こそ、系列局の出番です。
災害が発生した場所の系列局は日本テレビからの指示で必要な映像を送るとともに、自局の放送対応も行わなければいけないので一分一秒を争います。

地震では発生直後の揺れた局舎内の映像や、市内に設置された情報カメラの映像を見た事があると思います。
これらの映像は災害の発生した地域の系列局から送られてきた任意の映像をループ録画している、「スキップバック映像」を使用しています。系列局では下記写真の「スキップバック端末」を操作し、災害発生直後の各情報カメラ映像を日本テレビに送ります。

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  スキップバック端末

私は熊本での2か月の応援中に「北海道」「熊本」「鹿児島」で発生した震度5弱の地震や、「台風被害特番」を経験しました。これらの災害を短い期間で一度に経験することは滅多にないのですが、今回は今までの経験が役に立ったと感じています。過去の経験から、「何を準備しておくべきか」や「この先の展開」などが想定でき、円滑に業務遂行ができることになります。


■ 経験として・・・
今回の出張では、技術を理解する事も大事ですが、人との繋がりが非常に大切であり、それが結果として良い仕事に繋がるのだと改めて思いました。
また、経験や社歴に奢らず初心に戻り勉強をしていこうというキッカケになりました。
系列局応援という貴重な経験をさせて頂いたこと、KKTの皆様に温かく迎えて頂いたことに感謝致します。

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筆者 新マスター